こんにちは! 現役保育士のさふです🐾
「脳は、3歳ごろまでにほぼ完成する」という話を聞いたことがありますか?
これは大げさな話ではありません。脳の成長を研究する科学者たちは、この時期に、脳の土台となる部分が最も活発に作られることを明らかにしています。
たとえば、生まれたばかりの赤ちゃんの脳は、大人の約4分の1ほどの重さしかありません。それが、3歳になる頃には約90%まで成長します。これは、脳の中で情報をつなぐ線が、この時期にぐんぐん増えていくからです。
そして、この大切な時期に、子どもの脳の成長をうながす一番の栄養となるのが、私たち大人の言葉です。
愛情のこもった言葉のシャワーは、子どもの脳を豊かに育み、将来の「考える力」や「心の力」の土台を作ります。
今回のブログでは、私たち大人の言葉が、子どもの「考える力」や「心の力」をどうやって育てていくのか、見ていきたいと思います💞
このブログが、皆様の子育てにおける何らかのヒントの一つになることを祈っています🌱
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言葉が子どもの「心の力」を育む

子どもの「心の力」とは、困難にぶつかったときに、「自分ならできる!」と信じて粘り強く頑張る力のことです。精神力、と言うこともできますね。
どんなことも諦めずに、粘り強く取り組む力。そんな力を育むために、大人はどうすればいいのでしょうか?
1.「頑張ったね」が、挑戦する力を育てる理由
子どもが何かを達成したとき、「すごいね!」「天才だ!」と褒めるのは、子どものことを思うからこその愛情表現ですよね。
でも、実はこの言葉が、「失敗するのが怖い」という気持ちを育ててしまうことがあるんです。
なぜかというと、「すごいね!」と褒められ続けると、子どもは「失敗したらもう褒めてもらえないかも…」と感じやすくなります。その結果、難しいことには挑戦せず、得意なことばかり選ぶようになってしまいます。
ここで大切にしたいのが、「グリット」という心の力です。
グリットとは、たとえ失敗したり、うまくいかなかったりしても、「諦めずに粘り強く頑張り続ける力」のこと、まさに最初に述べた力のことです。
このグリットを育てるには、「努力すれば人は成長できる」という考え方が必要になります。
2. グリットを育てる具体的な言葉かけ
「過程を褒める」ことが、このグリットを育てる方法の1つです。
たとえば、子どもが難しいパズルに挑戦しているとき、「すごいね!」ではなく、「どうやってピースをはめようか考えているんだね」「何度も試して、ついにできたね!」のように、努力したことや頑張った過程を具体的に褒めてみてください。
こうすることで子どもは「自分は頑張って考えたから、このパズルができたんだ!」と、自分の努力と結果がつながっていることを実感します。
そして、「頑張れば、できないことでもできるようになるんだ」という前向きな気持ちを持つことができるようになります。
この考え方こそが「グリット」となり、将来、学校の勉強やスポーツ、さらには社会に出てからの仕事など、どんな壁にぶつかっても、前向きに乗り越える心の支えになります。
言葉が子どもの「考える力」を育む

子どもにたくさん話しかけることは、単に言葉を覚えさせるだけでなく、将来の学力や問題解決能力につながる「考える力」を育てます。
1. 言葉の「シャワー」が、脳を育てる理由
「言葉のシャワーを浴びせることが大切」と言われるのは、脳の回路を太く、丈夫にするためです。
脳は神経細胞(ニューロン)同士が「シナプス」というつなぎ目でつながり、情報がやり取りされています。このシナプスは、生後2〜3歳ごろに大人の約2倍の数まで急激に増えることがわかっています。
この大切な時期に、たくさんの言葉を聞くなど、五感で様々な刺激を受けると、脳の中の必要なシナプス(情報の通り道)が強化されて、より太く丈夫な回路になります。
たとえば、アメリカの研究では、親が子どもに話す言葉の数が、その後の子どもの学力や知能に大きな影響を与えることが示されています。
具体的には、裕福な家庭と貧困家庭とでは、子どもが聞く言葉の数に約3000万語もの差があることが判明しました。そして、この言葉の数の違いは、3歳以降の知能検査の成績に明確な差として現れたのです。
つまり、大人からの言葉かけは、子どもの脳の発達に直接的な影響を与え、将来の可能性を左右する重要な要因の1つであると言えます。
2. 考える力を伸ばす具体的な言葉かけ
「考える力」を育てるためには、子どもとの対話の質を高めることが大切です。そのための具体的な方法を、アメリカの小児科医ダナ・サスキンド氏が提唱した「3つのT」という考え方をご紹介します。
(1)子どもの関心に気づく(TUNE IN)
これは、子どもが何に興味を持っているかを、親が注意深く観察して気づくことです。
例:子どもが公園でアリの列をじっと見ていたら、「わぁ、アリさんのお引越しだね」と声をかけてみましょう。子どもの「見ているもの」に気づくことで、対話のきっかけが生まれます。
(2)具体的にたくさん話す(TALK MORE)
これは、子どもが興味を持っていることについて、さまざまな言葉を使って、具体的に話すことです。子どもと親の言葉を増やす、双方向の関わりです。
例:子どもがクレヨンで絵を描いているときに、「青いクレヨンだね」「お母さんは赤いクレヨンを使うよ」と、子どもの行動や物の色を言葉に、具体的に表現してみましょう。そうすることで、子どもは言葉と行動、そして色と単語を結びつけて語彙を増やしていきます。
(3)対話のキャッチボールを楽しむ(TAKE TURNS)
これは、子どもを対話のやり取りの中に引き込んでいく方法です。子どもが何かを伝えようと身振りや声を出したときに、すぐに答えを教えたり、言葉を遮ったりせず、子どもが反応するまで待つことが大切です。
例:子どもが「みて!」と絵本を指さしたら、親は「なにかな?教えてくれる?」と優しく問いかけて、子どもが次の行動をするまで少し待ってみましょう。子どもは自分で言葉を探したり、身振りで伝えようとしたりする時間をあたえられ、自ら表現する力が育っていきます。
おわりに | 最も大切なのは
子どもの「心の力」と「考える力」を育むための言葉かけについて、いかがでしたか?
これまでさまざまな言葉を豊かにする方法を紹介してきましたが、最後に、一番大切なこと。それは、「子ども一人ひとりの気持ちに寄り添うこと」です。
「いやだ」という気持ちをも受け止めて、「なんでそんなこと言うの!」と怒るのではなく、「遊びをまだ続けたかったんだね」と、子どもの気持ちを言葉にして、共感します。
そうすることで、少しずつ、「自分の気持ちを、そのまま表現しても受け止めてくれるんだ」と感じ、自己肯定感が育っていきます。
大切なのは、子ども一人ひとりの気持ちに寄り添い、その子に合った言葉を探してあげることだと思っています。
子どもは、ママやパパの「自分を大切に思ってくれている」という気持ちを、言葉、そして勿論行動を通してしっかりと受け取っています。私たち大人が、たくさんの愛情を言葉にして、伝えていきましょう。
みなさんの言葉が、子どもの未来を明るく照らす、かけがえのない光になりますように。
最後まで読んでいただいて、本当に有難うございました😌💓
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【参考文献】
◉『3000万語の格差 赤ちゃんの脳をつくる、親と保育者の話しかけ』
著:ダナ・サスキンド
訳:掛札逸美
出版社:明石書店
出版年:2018年
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◉『0・1・2歳児からのていねいな保育 第1巻 ここまで見えてきた赤ちゃんの心の世界』
監修:汐見 稔幸
出版社:フレーベル社
出版年:2018年
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