【保育士が解説】赤ちゃんの睡眠時間はなぜ重要?子どもの睡眠、夜泣き対策

育児の基本

こんにちは!保育士のさふです。


「赤ちゃんの睡眠、これで大丈夫かな…?」

初めての子育てで、そんな不安を抱えていませんか?

特に、子どもたちのこれからの成長の要となる体内時計は、この時期にしか形成されない大切なものです。


この記事では、子どもの睡眠に関する専門書による知見を基に、月齢ごとの睡眠の特徴から、今日から始められる具体的な習慣づくり、多くの親が悩む夜泣きへのヒントまでを網羅的に解説していきたいと思います。

お子さんの未来を育む「眠る力」を育てることができるよう、参考にしていただけたらと思います。

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なぜ乳幼児期の睡眠は「一生の財産」になるのか?


なぜ、赤ちゃんの睡眠がそれほどまでに大切なのでしょうか?

その理由は、睡眠中に子どもの成長の土台が作られているからです。 


子どもがたくさん眠る最大の理由は、「脳機能を完成させ、その働きを維持するため」です。

赤ちゃんが寝ている間も脳は活発に動き、日中に経験したことを記憶として定着させたり、神経回路をどんどんつなぎ合わせたりしています。

この睡眠による脳の発達が、将来の学習能力や情緒の安定に直結します。


◉生涯の健康を左右する「体内時計」の形成


人間の体には、約24時間のリズムを刻む「体内時計」という機能があります。 

この体内時計は、生まれてすぐ備わっているわけではなく、生後1〜3ヶ月で形成が始まり、遅くとも2歳までにはほぼ完成すると言われています。


この時期に規則正しい睡眠習慣を身につけることができれば、生涯にわたって安定した生活リズム、健康、そして能力を維持することが容易になります。

一度形成された体内時計を後から修正するのは大変なため、乳幼児期がまさに「勝負の時期」なのです。

【月齢別】子どもの睡眠時間の目安と育て方



子どもの睡眠は、成長段階によって大きく変わります。それぞれの時期の特徴を理解し、適切なサポートをしてあげましょう。 


誕生〜1ヶ月:夜と昼の区別がない時期


睡眠時間: 1日16時間前後


特徴: 2〜3時間おきに、排泄や授乳で目を覚まします。欲求が満たされると再び眠りにつく、というサイクルを繰り返します。まだ体内時計が未熟なため、昼夜の区別はありません


◉2〜4ヶ月:体内時計の形成が始まる時期


睡眠時間: 1日13〜15時間


特徴: 少しずつ体内時計が動き出し、昼夜の区別がつき始めます。日中に何度か短いお昼寝をします。


親ができること: この時期から、心地よい「入眠儀式」を始めてみましょう。

入眠儀式というのは、寝る前に必ず行う事を決め、寝る前のルーティーンに組み込む、いうもの。

例えば、一緒に絵本を読んだり、ゆったりとしたふれあい遊びをしたり…

就寝前のリラックスタイムを作ることで、「寝るのは気持ちいいこと」という良いイメージが育まれます。


◉5〜6ヶ月:夜の睡眠が伸び始める時期


睡眠時間: 1日13〜14時間


特徴: 日中の活動量が増えることで、夜の睡眠時間が長くなり、昼と夜の区別がより明確になります。


親ができること: 日中体を動かす遊びを取り入れ、夜はぐっすり眠れるように促しましょう。「一度眠ると朝まで起きない」「朝は自分で目覚める」という良い習慣の土台を作ることができるようにしましょう。


◉7〜9ヶ月:夜泣きが始まる子もいる時期


睡眠時間: 1日13〜14時間


特徴: 「昼は活動し、夜は眠る」という生活リズムが定着します。一方で、夜泣きが始まる子もいます。


夜泣き対策のヒント:夜中に頻繁に起きて授乳を求める場合、毎回授乳で対応すると「夜は定期的に起きなければならない」と勘違いし、睡眠が細切れになる習慣がついてしまうことがあります。

夜間断乳を検討することも、質の良い睡眠を確保する上で適切な選択肢です。(フランスでは新生児期から夜間授乳をしないことが一般的と言われています。)


◉10ヶ月〜2歳:自分で寝起きする習慣を身につける時期 


睡眠時間: 1日11〜13時間


特徴: 歩行や言葉の発達とともに、生活習慣が身につきます。


親ができること: 2歳までに「自分で寝て、自分で起きる」という自立した睡眠習慣を身につけられるよう促していきましょう。


子どもの睡眠を改善する具体的なポイント


お子さんの「眠る力」を育むために、今日からできることをご紹介します


寝る子は育つ」と言われるように、乳幼児期の睡眠は、単に体を休めるだけでなく、子どもの心と脳の健やかな成長に欠かせない、重要な役割を担っています。


★毎日同じ時間に起こし、朝の光を浴びさせる


体内時計をリセットする一番の鍵は「朝の光」です。朝起きたら、まずカーテンを開けて太陽の光を浴びさせましょう。


起床時間を一定に保つことが最も重要です。休日も起床時間のずれは60分以内に抑えるように心がけましょう。


★「寝るのが楽しみ」になる入眠儀式を作る


就寝前に同じ行動を繰り返すことで、子どもは「もうすぐ寝る時間だ」と認識し、安心して眠りに入りやすくなります。

  • ぬるめのお風呂に入る
  • 部屋を薄暗くし、絵本を読む
  • 子守唄を歌う
  • ぬいぐるみやおもちゃに、「おすみ」と声を掛ける
  • パパやママとの優しいスキンシップ遊び


など、お子さんが気に入った睡眠儀式を毎日のルーティーンに組み込みましょう


★寝室は「眠るだけの場所」にする


寝室にはおもちゃを持ち込まず、寝ることに集中できる環境を整えましょう。
夜のテレビやスマホはNGです。画面から出るブルーライトは、睡眠を促すメラトニンの分泌を妨げ、体内時計を狂わせてしまいます。寝る1時間前にはすべての光を消し、静かで落ち着いた雰囲気を作りましょう。 

★安全な睡眠環境を整える


SIDS(乳幼児突然死症候群)のリスクを避けるため、生後4ヶ月頃までは必ず仰向けに寝かせましょう。


ベビーベッドに、窒息の恐れがあるガーゼやぬいぐるみ、柔らかい布団などは置かないようにしましょう。寝室の温度や湿度にも気を配り、眠りやすい環境を保ちましょう。

子どもの眠る力は、親の愛情と工夫で育まれる



乳幼児期の睡眠は、単なる休息以上の意味があります。

子どもの脳、心、体の土台を作り、一生の健康と幸せを左右する、まさに「人生の始まり」です。


最初から完璧に、は誰しも出来ません。毎日少しずつ、お子さんの個性や成長に合わせて生活リズムを整え、安心して眠れる環境を作ってあげましょう。


もし悩んだり、疲れたりした時は、パートナーや家族、地域の支援センター、保育園の先生など、周りの人に頼ってください。あなたが心身ともに健康であることが、お子さんにとって何よりの安心材料になります。

そしてお母さん、お父さんもお子さんとともに、質の高い睡眠をとることもとっても大切です。


このブログが、お子さんの健やかな成長を願う親御さんの助けになれば幸いです。

読んでいただき、有難うございました

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【参考文献】

◉『新0歳児保育の実際 誕生から2歳未満の育ちの姿と保育の手立て』
東京都公立保育園研究会編

出版社:‎ひとなる書房

出版年:2024年

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◉『ワーママの毎日がラクになる! 子どもの「眠る力」の育て方』
著者:清水悦子、鶴田名緒子

出版社:‎日本能率協会マネジメントセンター

出版年:2022年

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◉『米国最強経済学者にして2児の母が読み解く 子どもの育て方ベスト』

著者:エミリー・オスター

出版社:サンマーク出版

出版年:2021年

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